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【前編】絶対に転職できないと思われた俺くんがシンプルに転職できた訳。

2017/06/15

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こんにちは。助田です。

今回は「絶対に転職できないと思われた俺くん」の大逆転なるお話です。

ちなみに俺くんは、キャリア相談にくる平均的404な求職者の人をイメージして、「自分のキャリアを棚卸!Web業界で活躍するキャリア講座&ワーク。」でも繰り返し伝えているキャリアアップに関するいくつかのポイントをまとめていきます。

たぶん、ボリューム的に3編くらいになりそうです。

※画像像素材は、ぱくたそさんいつもお世話になってます m(_ _)m

入口はそつなく好印象も、出口が見えないその中身とは。

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俺くんが初めてGARAGEにやってきたのは、春まだ浅い2月半ば頃。

Webディレクター進化論の記事を見て、GARAGE AGENT(社会人)経由のエントリーで、キャリアに悩んでいます!という問い合わせがあり、初回面談にやってきました。

日時調整のメールのやり取りも早いし、Facebookの友達も多い。待ち合わせ時間の5分前に到着。あいさつも口調もしっかり律儀です。

仕事では顧客先にも出向く機会があるそうで、格好も小奇麗で印象も悪く無い。

-今回はどんな経緯で転職を考えてるの?

「はい。会社も仕事も頭打ちしてます。案件もディレクションも、同じようなことの繰り返し。今のままじゃ自分の市場価値が下がると思っています。

先日、アクセス解析の外部セミナーに出た時に、自分のやりたいことは解析からのデータを分析して、Webサイトを育てていきたいと思いました。サービスはなんでもいいです。いろんな企業を知りたいので、幅広く転職活動をしたいです。

年収は現職が360万なんで400万にしたいです。将来はWeb業界なんで明確に見えませんが、フリーランスやってみたいです。」

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俺くんの言いたいこと中心にまとめる一次サマリ。

・見た目は落ち着いていて、しっかり律儀な20代後半である。
・今の会社は3社目で20名くらいの制作会社ベンチャー3年目である。
・WordPressで10-30ページくらいのサイト制作案件中心。20案件くらいの実績。
・一通り、会社全体を見渡せて、自分の仕事も慣れてちょっと飽きてきている。
・勉強会、外部セミナーにもテーマ幅広&積極参加中である。
・今後は自社メディアでサイト運用、特にアクセス解析系の仕事に就きたいと思っている。
・年収は360→400万に上げたいと思っている。
・将来はフリーランサーになって、ノマドしながら働きたいと思っている。

3年目にしては、てんこもりーな職務経歴書を説明してもらって、まとめた一次サマリがこんな感じです。

主体的なエントリーだし、しっかりしてるし、勉強熱心でニーズ多数の転職年齢。おまけに年収アップ意欲もあるポジティブな印象ですよね。

でも、ここから突っ込みどころ満載の状態にし、サマリをブラッシュアップしていくのが、僕らの仕事です。

本質的な課題、根拠を明らかにする聞き込み開始。

-まず、俺くんは今の会社でやることはやりきったの?

「上司はもっとできるって言ってたんですが、自分でやれると思ったことはやりました。案件もいろいろやって、ディレクターのスキルも実績もそこそこついたと思っています。制作も簡単な作業だったらコーディングもPhotoshopも使えます!」

-市場価値が下がるって言ってたけど、俺くんが思う市場価値って例えば何?

「ディレクターっていろいろやらなきゃいけないじゃないですか?アプリもそうですし、グロースハックも経験したいです。今の環境のままだと自分のスキルを成長させるには、狭い気がするんですよね。」

-ちなみに数値分析って経験あるの?

「仕事だと、基本クライアントが数値見てるんで、僕は詳細まで知りません。でも、セミナーでも大事だって言ってましたし、昔から数字を見るのは好きです。Webディレクターとしてスキルをあげるには、数字分析ができないとやっぱりダメですよね?」

-ちなみにコンシューマ向けインターネットのビジネスモデルって全部知ってるよね?

「ビジネスモデル?SNSとかゲームとかそういう話ですか?僕は音楽好きなんで、今流行の定額聴き放題アプリとかいいですよね。そんなサービスを作って育てたいです!」

-年収あげたい理由って何があるの?

「ちょっと結婚を考えてまして(照)。今の会社がボーナスなしで月30万なんで、年収360万なんです。貯金もしたいし、今回の転職では切り良く400万にはしたいですねー。解析系のディレクターって相場感ってそのくらいですよね?」

-将来フリーランスになりたい理由って何があるの?

「僕、時間に縛られるのが嫌なんですよね。今の仕事だとクライアントの都合で土日も仕事しなきゃいけなかったり、残業も多い。でも遅刻すると減給されちゃうんで、朝はちゃんと行かなきゃいけないんです。フリーならリモートでどこでもノマドできるんで、自分の時間が自由にコントロールできるかなと思ってます。」

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この時点で俺くんには転職を諦めてもらおうと思った。

ここまでのやりとりで、僕は俺くんに転職を諦めさせようと思いました。(正確にはこの状態ではと。)まだ今の会社で頑張れ。と。

みなさんはなんでだと思いますか?

僕がそう思う理由が、ヒアリングによって炙りだした以下のつっこみにあります。

・C向けの企業がWebディレクターに求める実績、スキルを把握していないのでは?
・そもそもWebサイトの目的、収益構造を理解していないのでは?
・転職、特にキャリアチェンジでも年収が上がると思っているのでは?
・そもそもキャリアチェンジという認識が薄いのでは?
・てんこもりーな職務経歴で俺くんの特徴が僕には403、自分でも404。(気付いていない)
・フリーランスになりたいその先に、あるべく目的が行方不明なのでは?

入り口は好印象なのに、中身をあけてみるとWebディレクターとしてのキャリアアップ条件として、なかなか揃いにくいなと思う点が多いわけです。

俺くんは典型的な404パターン。しかも相談に来るWebディレクターの求職者に一番多いパターンなんです。

実績もなくはない俺くんの場合、ポイントは掛け違った考え方の転換と、フレームを使ってとにかく仮説とシナリオを立てることにあります。

さて、俺くんは如何にしてこの状態をくぐり抜け、希望に近い転職に成功し、その後、Webディレクターとして活躍することになったのか。

次遍では炙り出した貴重なつっこみドコロを整理して、どのように対応していけばいいのかを説明します。

本遍シリーズ、楽しめそうな人はお楽しみに(´ー`)y-~~

【前編】絶対に転職できないと思われた俺くんがシンプルに転職できた訳。
【中編】絶対に転職できないと思われた俺くんがシンプルに転職できた訳。
【後編】絶対に転職できないと思われた俺くんがシンプルに転職できた訳。

投稿者プロフィール

助田 正樹
SPEC代表
株式会社イノセンティブ 取締役
一般社団法人 日本ディレクション協会 理事

東京都品川区出身の1976年7月生まれ。桜美林大学経済学部を卒業後、ソニー株式会社にて、シックスシグマというマネジメントツールのR&D、広報などクリエイティブ業務に従事。2005年からインターネットベンチャーでWebディレクターとして数社経験。その後「LINKAGE」という商号でフリーランスとしてWebディレクション業務で活動。コーポレート、リクルート、モバイル、デジタルサイネージ、リアル連動など様々なWebサイト、システムの構築、新規事業プロジェクト企画、立ち上げを経験。2012年6月に株式会社イノセンティブ取締役に就任。GARAGE AKIHABARAを立ち上げる。日本ディレクション協会ファウンダー。メンタルマネージャー資格保有。

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