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進化論ブログ

目配り・気配り・心配りというホスピタリティについて語る

2016/04/04

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目配り・気配り・心配り

こんにちは。助田です。

先日はWebディレクションワークショップということで、中村さん中心にディレクターをやられている方々40名弱GARAGEにお集まりいただいた。

僕自身は現職でWebディレクションを積極的に行っているわけではないけど、デスマーチでしんどかったプロジェクト経験が何度もあるので、世の中から少しでも、そんな誰も得したいデスマーチを失くす支援をしたいと思っています。

そこで、任意団体のWebディレクションの協会を設立して、Webディレクションを行っている人同士が情報交換をしたり、交流できるよう、facebookでグループを作った。そして、イノセンティブでもディレクターに特化した人材支援を行っていく予定。

Webディレクションでお困りの全国の皆さん、是非facebookでグループにご参加頂いて、うまいこと情報を得て欲しい。

さて、今日は「ホスピタリティ」についてGARAGEで変化があったので一つの事例としてご紹介。見解はあくまで個人の見解ですがどうぞ。

ホスピタリティとはなんぞや、ということで、ウィキペディアを探すと、

「ホスピタリティ(hospitality)」は、一般に「もてなし」と訳される。

まさに本質的な一文である。昨年まで新宿でレストランを経営していたホスピタリティ溢れる義理の母親は、「目配り・気配り・心配り」という行動規範を大切にしていて、僕も日々身に染みている。

クラブイベントのオーガナイザーを体験した僕は、DJ、ダンサー、MCなど出演者と一緒に、如何にしてお金を払ってきてくれる同世代の人たちを楽しませることができるか!という感覚が研ぎ澄まされ、このホスピタリティを大事に、いや異様なまでに意識している人間だと思ってるし、ホスピタリティ溢れる人を見ると、とても素晴らしい!と心から思っている。

その反面、逆にできない人を見ると「ああ、この人ポンコツなんだな。かわいそうに。」、と反射的に思ってしまう傾向がある。

さて、GARAGEでは昨年11月ごろより、試験的な意味合いも込めて2名の学生を僕付きのインターンに迎えてみた。

熊ことtakeshi☆t kumaGUY!、バラカンことKambara KoHEY!である。彼らは、いや普段通り、愛を込めて奴らと言おう、奴らは結果的にいうと、インターン期間中に自ら就職活動で結論を出し、大きな変化を体験し身に着けた。

奴らと話した某企業の方が、「あんな子たちがGARAGEに集まっているんですか?ちゃんとやりたい事を語れるしすごいですね。どんな教育をしているんですか?ぜひうちにも学生を紹介してほしいです。」って言われたのが、僕自身も驚きだし、奴らにとってGARAGEで3ヵ月を費やした大きな価値になっている。

2人ともWantedlyきっかけ(リンケイジア齋藤君!教えてくれてありがとう!)で知り合ったんだけど、最初GARAGEに来たときは就職先が決まっておらず、曖昧な将来設定と意味不明な就活の状況を口にしていた。(僕は当時、食ったことないラーメンを散々うまいって説明されても、なんのこっちゃわからんから、まずは食ってみることから始めれ、と表現した。)

そして、大人への変な意識の壁を作り、2人とも自分が作り上げた自分への固執が強く、変化を受け入れ難い意識を持っているようにも見えた。

そこから約3ヵ月、色んな場面で色んな挑戦してもらいつつ、色んな「大人」との接点を作った。

代表の辻井のりさんやGARAGEに来てくれる、それこそめっちゃ優秀で、柔らか頭の大人たちにもまれにもまれた。

時には3時間もの説教を受け、時には甘いと心をへし折られ、時には結果を出せない悔しい現実を何度も経験したが、自分の意思でGARAGEに何度もやってきた。僕は依頼をマルナーゲし続けて、ひたすら進捗を追う。

そして酒を飲みながら、奴らの話を聞いて時に背中を押すだけの3ヵ月を通じて、本人たちが気付いていないほど、中身も外からの評価も大きく変わった。

ここでは変化こそ価値なのである。

僕はイベントやワークショップなどの準備や運営する機会も多くホスピタリティが必要な場面が多いんだけど、奴らは現場に必ず必要な存在になってしまった。今では奴らは勝手に準備を手伝い、勝手に忘れてたタスクを補い、勝手にGARAGEをムーディモードにして、勝手にイベント参加者をもてなす。なんにも指示してないのに。

昔ソニーで「自由闊達」という会社のアイデンティティみたいなのがあって、ソニーショックで全ての価値観が揺れて、利己的な言動や振る舞いをする人も出てきたときに、偉い人が「自由闊達を自由勝手と解釈する人間が増えてきたのは、ソニー凋落のはじまりだ!」と、吠えていたのを思い出した。

デリケートな状況化の場合は特に、既存の組織では一つの「勝手」が統制を乱すので「悪」になってしまうんだろうか。まあ、僕は割と勝手なことをやってきてしまったけど。。

でも、GARAGEのようなフラットな集まりの中で、その勝手にという解釈に加えた利他的なおもてなしの姿勢こそ、GARAGEが最も大事にする「主体性」につながり、大きな価値を生み出す源泉となるのではないだろうか。

特にベンチャーでは「勝手」くらいの前のめる姿勢とスピード感がないと、やっていけない部分は往々にしてある環境だし、それこそ主体的に動かないと失敗もしない反面、成長もしないし、そもそも従業員として価値を生み出しにくいのではないかと思ってしまうくらい。

いずれにしても、3月に奴らが学生として参加はしなくなるので、とても困るなあと思えるくらいのポジションと評価を得ている。

そして奴らの更なる変化としては、知り合いまくっためっちゃ優秀で、柔らか頭の大人たちとのコミュニケーションを通じて、「大人への変な意識の壁」を崩壊させ、大人へ夢ややりたいことをきちんと語り、大人の意見に耳を傾けて、大人へ相談できるようになった。

これって結構大きな変化と思っていて、組織で大事な「ホウレンソウ」も違和感なくできるんじゃないだろうか。

大人に慣れた奴らはこのままいけば、会社でもクライアントでも可愛がってくれる人が増えていくんじゃないだろうかと思っている。

世の中には面接のやり方とかESの書き方とか教えてくれる機関はたくさんあるんだろうけど、僕らのような「主体性」という説明しづらい価値提供も、ホスピタリティというような言葉や概念にブレイクダウンされることで、理解されやすくもなるだろうし、今後ますます広がっていくんだろうと感じている。

そして全然体系化してなかったし、そもそも素養があった2人だったかもしれないけど、僕らが提供したのは環境だけであって、奴らは自分のアタマで考えて、自分のチカラで自分たち自身をセルフリノベーションしてしまった。そして僕らも大きな自信と確信を得たわけだ。

卒業目前の彼らに、僕から独自ドメインをプレゼントした。インターネット業界に入る2人には、Webリテラシーは日々積み重ねる努力を継続すべしで、独自ドメインでブログくらいやっとけというアドバイスを付け加えた。

熊(http://takeshikumagai.com)、バラカン(http://meekme.net)、マイペースな熊はまだ未着手だが、バラカンは早速ワードプレスをいじくったり、音楽の交流会 AT COFFEEMEETINGを立ち上げたりしている。1年後の更新でなくなっているかもしれないし、めちゃくちゃアップデートされているかもしれないドメインにアクセスすることを僕はひそかに楽しもうと思う。

奴らのように変化できるチャンスは世の中にたくさんある。そしてまた、2人を軽く超していけるようなインターンを募集しようと思う。(できれば2年生、1年生がいいけど。)。就活だったり、大学生活だったりで、一人で悩んだり、くすぶったりしてる学生がいれば、この機会にぜひ3か月GARAGEで過ごしてみることを強くお勧めする。

じゃあ、いつからって?でしょ(´ー`)y-~~

投稿者プロフィール

助田 正樹
SPEC代表
株式会社イノセンティブ 取締役
一般社団法人 日本ディレクション協会 理事

東京都品川区出身の1976年7月生まれ。桜美林大学経済学部を卒業後、ソニー株式会社にて、シックスシグマというマネジメントツールのR&D、広報などクリエイティブ業務に従事。2005年からインターネットベンチャーでWebディレクターとして数社経験。その後「LINKAGE」という商号でフリーランスとしてWebディレクション業務で活動。コーポレート、リクルート、モバイル、デジタルサイネージ、リアル連動など様々なWebサイト、システムの構築、新規事業プロジェクト企画、立ち上げを経験。2012年6月に株式会社イノセンティブ取締役に就任。GARAGE AKIHABARAを立ち上げる。日本ディレクション協会ファウンダー。メンタルマネージャー資格保有。

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