超売り手市場!難しいとされるWebディレクター採用のポイントを解説します。
2016/04/04
こんにちは。助田です。
採用前線まっさかり。みなさんいかがお過ごしでしょうか?
イノセンティブでは、新卒紹介事業、研修事業とおかげさまで、いろんなオーダーを頂いておりまして、企業や従業員のみなさまの支援を、本気と書いてマジ一生懸命やっております。
中途事業もWebディレクターに特化した転職・キャリア支援を日々行っておりまして、日増しに企業ニーズ、求職者ニーズの高まりっぷりを感じつつある2015・秋。
参加者1名でもやります!の「自分のキャリアを棚卸!Web業界で活躍するキャリア講座&ワーク」も、ここんとこ毎週GARAGEで実施中となっています。
先日も、WebデザイナーからWebディレクターへのキャリアチェンジ講座がリリースされ、更なる求職者のキャリア支援を行うとともに、あまたある企業のディレクターニーズに幅広く対応できるような体制を作りつつありますです。
そんな今日は日頃、ディレクターを採用する側、つまり企業のヒアリングをしている中で、Webディレクターを採用するポイントがいくつか浮き彫りになってきましたので、サマリとしてまとめてみます。
※今回は特に50名以下の制作、開発会社さんをイメージして書いてみました。
ちょっと長い内容ですが、とかく難しいとされるディレクターの採用で、本件いくばくかのヒントとなればこれ幸いであります。
まずは全社的にディレクションを理解していこう。
と、採用手法からではなく、しょっぱな体制の話になります。
個人的な意見として、多くの企業は残念ながらディレクターが活躍できる環境がまだまだ足りていないと日々感じます。
環境、体制の前に、もっとも大事なのは、ディレクターに頼り過ぎない意識を全社的に持つこと。
「ディレクションってよくわかんねーし。」とか、「そもそもWeb制作ってよくわからんわー。」などの理由でマルナーゲ。ディレクションを理解しようとしない空気。御社にはありませんか?
でもですね、求職者の転職理由として、「うちの会社ってWebディレクションに対して理解が少ないんですよねー。故に評価もされにくいっす!」という意見。めちゃくちゃ多いんすよ。
「まじか!」って思った企業の方々は、全社的にディレ協の勉強会などに積極参加して、ディレクションを学ぶ機会をたくさん作ってみましょう。
クリエイティブ現場の方はもちろん、経営層から営業、人事の方まで、一生懸命ディレクションを理解しようとしているという、模範的かつ素晴らしい会社さん。多々あります。
ぶっちゃけ、ディレクションの細部なんて知らなくてもいいんです。
概要でもディレクションを理解しようとする心。ここの意識、超大事です。
意識からの意志があって始めて、受け入れ体制を整える前提が整います。採用業務に着手するのはその後。なんですね。
ロールモデル(見本)を【社内】に作ろう。
よいディレクターにはよいディレクターが集まります。
特にディレクター職の場合は、誰からも教えてもらいにくい職務の一つだったりしますので、わからないことしかない、ってケースがもう大半です。
なので、ディレ協勉強会&ワークの声となっている価値も、同じディレクターの立場での情報や考え方の交換だったりになるわけで、良いディレクターに触れ、「このディレクターの方と一緒に働きたいわー。」って気持ちは当然沸き起こる感情です。
ディレクターは所属する会社により、その役割と責任が異なるケースがほぼなので、その会社で活躍しているディレクターはその会社で良いディレクターという定義ができるわけです。(当たり前ですね。)
イノセンティブでクライアント企業にイベントを提案しているのも、上記のような理由が根拠となっています。ロールモデル(良いディレクター)となるべき現場の人と、求職者の方との接点を積極的に創りだすため。なんですね。
自社として「良い」という定義が、うまく明文化され、採用情報に反映され、うまく情報として伝わり共感を生むことができれば、良いディレクター候補者が集まる確率が増えるって訳です。
参考までにWebディレクターのキャリア支援で利用しているフォーマットに、必要なディレクターの要素を盛り込んでみると、「良い=欲しい」の定義がうまく明文化されるはずです。
弊社としても、求職者と同じフォーマット上でのマッチングがはかれれば、より精度の高いマッチングができることを期待しています。ぜひお試しあれ。
独自のディレクション手法を定めてPRしてしまおう。
全社的な理解、ロールモデルがあったうえで、企業独自のディレクション手法もあったほうがよいでしょう。
Webディレクションは主にビジネスモデルにより求めるスキル、実績が異なります。
図の通り、ビジネスモデルがBtoCなのか、BtoBなのかにより、ディレクターという職務がコミットする領域も、故の評価もだいぶ変わってきます。
BtoCに関しては、数字の世界なので、粗利を上げるには原価を効率的に使って、売上をあげていくしかありません。
ユーザーを集める施策、感情を動かして集めたユーザーにアクションさせる施策、これら数字を作り出す施策にプロジェクトは発生し、ディレクターが存在します。
事業的にはKPIを達成するために、主に集客施策、およびマネタイズポイントへの投資的観点が必要になりますので、いかに効率的に数字が上がるよう仕組み化をして、PDCAサイクルを作り上げるかがポイント。
例えば会議体の設定も、KPI同士の相関を正確に把握することを目的として行うとすると、日々のローデータを計測して、相関が見えるようなツールを基に、仮説→企画→設計→実装→検証って形で落とし込んでいく。
とかく、ジョブチェンジが頻繁な職場であっても、誰が担当してもいいような仕組みを作っておく環境が必要になりますし、重点的に改善したいKPIにコミットする専門チームを、クロスでファンクショナルに集結できるような体制を整えておくなど、会社の事情に合わせた独自のディレクション体制があって然るべきなのです。
一方、BtoBは、原価の大半が人件費、外注費となるところが多いので、内製化している会社は粗利率は当然高いです。
また、受託制作、開発だと、上記のように収支がどうしてもバラつくため、いかに効率よくプロジェクトをディレクションし、顧客、ユーザーの満足をはるか乗り越えていくOutputをどうやって創りだしていくか、がポイントになります。
ディレクション(に限らず仕事全般)でスピード感を出すにはテンプレ化がキモ。
営業資料、提案資料、参考資料、見積書などのドキュメントから、会議体の設計(朝会、タスク、進捗、営業、クリエイティブ会議とか)、報告の仕方なども、同じ形式に則ると、スピード、質ともに向上することって多々あります。
先日セミナーを行った、田口さんの会社。デスクトップワークスみたいに、独自のディレクション方法で運用する会社がまさに良い見本になりますよね。(そんな田口さんの出演イベントはこちら。)
で、独自の手法を全社的にブラッシュアップしていく。まさにPDCA。
「このクオリティを、この短期間で出してきますかー。」って知り合いの制作会社があります。
年間150サイト以上の制作を10年以上続けてきた会社なんですが、ノウハウという言葉に包含される、素材、スクリプトなどの制作テンプレストックと共に、クライアントに応じてディレクション含めての独自手法(引き出し)がくっきり多くあります。まあ仕事がやりやすい。
ここで大事なのは、自分達の領域だけが効率的になってもしょうがないので、クライアント、クリエイティブ含めた、プロジェクトチーム全体が良くなるような、手法が必要になってきます。まさにシックスシグマであり、全体最適。
これらディレクション手法はディレクターにとって、仕事をしやすくするだけでなく、その企業独自のノウハウとして、魅力的に映りますので、採用時のアピールポイントとしても活用しやすいことうけあいです。
採用軸をきちんと決めて狙い撃ちしよう
ここまで来ると、ディレクションへの全社的な理解、ロールモデル、企業独自のディレクション手法が存在しています。
もう怖いもんなしです。いざ採用準備にとりかかりましょう。
ディレクションワークにはコンセプトが必要であるように、もちろん採用にもコンセプトが必要なのは言うまでも、ですよね。
マルチな職能が求められがちなディレクターだからこそ、「どんな人を取りたいのか。」というターゲットを内包するコンセプトを明確にする必要があります。
・より具体的にどんな案件でどんな役割、立場を期待するか?
・より具体的に与えるべき権限は何をどのくらいにするか?
・より具体的にどんなクライアントに会社としてのどんな提案を期待するか?
・より具体的にクリエイティブ(内製、外注)などに、どんなコミュニケーションを期待するか?
優秀なディレクターだからこそ、いろいろ求めたくなるのは当然です。気持ちすごくわかります。
でもあれこれ要望することで、ターゲット層が散漫して、そもそものコンセプトからもズレることで、ミスマッチが生まれたり、そんなスーパースターはいないぜよ、って青い鳥的な応募要項になってしまっては、応募すら無いって最悪な状況も考えられます。
コンセプトに沿えば、年齢、転職回数などのネガティブ要素も、いったん置くことで、要望以上の採用ができたという事例も実際にあります。
あと、採用をかける時期。
以下が、2011年の転職希望者の月別推移ですが、総務省「労働力調査」によると、求職活動中の人が多い月は、総数だと、9、2、3月、実数だと、1,2,3月と年度に併せて、切り良く働きたい人、ボーナスなどの時期もよるとのこと。
ちなみに弊社のデータ上ですと、4月、7月、11月という大型連休前にエントリーが多くあります。
・ディレクターって継続的にプロジェクトを抱えているので、切れ目がない。
・てか、そもそもボーナスがない会社も実際多いのでボーナス時期も関係ないのかも。
・期、四半期の移り目に担当領域が変わった、などで転職を決意するのかも。
という推測もあります。
この辺からも、求人の競争優位性により2パターンあって
・競争力に優位性がある求人の場合は、転職希望者の多い時期を狙う
・競争力に優位性がない求人の場合は、転職希望者の少ない時期をあえて狙う
みたいな狙い方もアリなのではと思います。
ということで、どの時期をどう活用するかというのを、データから判断してみるのも一つの手段になります。
ということで、採用担当者向けの講座開発中です。
ストリートアカデミーにて、現在準備中の「採用担当者向け!Webディレクターを採用するためのポイント講座」のご紹介です。
コンテンツは本ブログの内容を基にした講義と、求職者と同じフォーマットを使った、本当に欲しい!Webディレクターのキャリア思考性あぶりだしワークを予定しています。
日時決まり次第、告知しますので、ご興味ある方は「受けたいボタン」をぽちっとお願いします!
新規のお取引先も若干ですが募集してますので、以下よりお問い合わせ頂けますと幸いです。(特に常駐・持ち帰り系の業務委託のニーズがある企業様はウェルカムです!)
投稿者プロフィール
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SPEC代表
株式会社イノセンティブ 取締役
一般社団法人 日本ディレクション協会 理事
東京都品川区出身の1976年7月生まれ。桜美林大学経済学部を卒業後、ソニー株式会社にて、シックスシグマというマネジメントツールのR&D、広報などクリエイティブ業務に従事。2005年からインターネットベンチャーでWebディレクターとして数社経験。その後「LINKAGE」という商号でフリーランスとしてWebディレクション業務で活動。コーポレート、リクルート、モバイル、デジタルサイネージ、リアル連動など様々なWebサイト、システムの構築、新規事業プロジェクト企画、立ち上げを経験。2012年6月に株式会社イノセンティブ取締役に就任。GARAGE AKIHABARAを立ち上げる。日本ディレクション協会ファウンダー。メンタルマネージャー資格保有。