Webディレクター進化論 中村健太が語る「成長を加速させる」3つの考え方
2016/04/04
多分日本で一番ディレクターを応援している(と意気込む!)INNOCENTIVEが送るディレクター進化論。
今回はそのメインコンテンツとなるインタビューレポ第一弾として、現役のディレクターとして活躍しつつ 日本ディレクション協会会長や「ディレクターズマニュアル」中の人としても動きまわる中村健太さんに色々聞いてきました!
なんにしろ進化したい!活躍したい!と考えられているディレクターさんたちのロールモデル(見本)として、多分参考になる話が聞けたんじゃなかろーかと思っております!
「作って終わり」を早く辞めること そこは事業のゴールじゃない
―中村
さて、今回は「ディレクターの年収を伸ばすには?」ってことでしたね。
ディレクターって言っても広すぎるから、今制作進行をやっているディレクターに絞っていうとおすすめなのは、「運用」か「企画設計」のどちらかにまで携わる事。
「制作・進行管理」だけじゃ、まぁいいとこ300~400万くらいだと思います。
そこから上を目指そうと思った時、一番簡単なのが「運用」か「企画・設計」のどちらかに関わって数字を出すこと。これができる人なら500~700万くらいは余裕で超えるかなと。
―えぇ?そんな簡単に上がるもんなんですか?
―中村
もちろん簡単じゃないんですが、特に「運用」は需給のバランスが現状すでに壊れているので、かなりお金になるんですよ。
「毎月降ってくる更新案件を上手いこと終わらせる」のではなく、クライアントや上長と一緒になって「より利益を生むために次 何をやるか?」を考えて実行するプロジェクトを進められる人って意味ですけどね。
当たり前の話ですが「Webサイト作る」ってのはそのまま事業の一環ですからね。
「お金稼げるサイト作れる人」の需要が大きくなるんです。
驚くほど地味なキャリアのスタートが気づかせてくれた「自分事としてやる」ことの重要性
ーなるほど。さすがディレ協の会長さんですね。
ところで、中村さん自身はどうやって今のキャリアをつくってこられたんですか?
―中村
実際、全然華々しい話じゃないですよ。
新卒で親族の経営する飲食店に入って、死ぬほど働いて、でもお金が無くて、なのになぜか結婚しちゃってるし子供もいるし…。
とにかく夫婦揃って栄養失調になるんじゃないかってくらいお金が無かったんです。キャリアのスタートとしては多分最悪の部類に入るんじゃないですかね。
―え゛・・・そ、そうなんですか。なんか、正直かなり意外です。
―中村
だからとにかく、毎日お金のことばっかり考えてました。
結局その当時すごく流行っていたアフィリエイトでまぁボチボチうまいこと行って、インターネットが楽しくて楽しくてしょうがなくなっちゃって…。
で色々あって今に至るんだけど、これのおかげで人の感情や行動をどうやってお金に変えるのか?てのが体感としてわかったような気がします。
今でもこの考えはベースになってる…かな?
ーちなみにアフィリエイトを始めたキッカケってなんだったんですか?
―中村
きっかけは僕の嫁さんです。
ある日仕事から帰ってきたら、嫁さんがパソコン見せてきて「今日はこれで1万円稼いだよー」とか自慢されちゃいまして。
悔しいので自分もやってみた。と。それがホント最初の最初ですね。
この頃の僕は「我が家の生活費の足しになるかもしれない!」ていう割と笑えない期待を込めてサイトを作ってたので、アクセス解析にしろSEOにしろとにかく全力でやってたような気がします。
コンテンツを探しに来る人はどんな人か
具体的に今どんな気分か
なんて検索して何をクリックするのか
サイト内ではどう動くのか
何があればこちらの期待どおりの行動をしてくれるのか?
四六時中そんなことばっか考えてましたね。
まぁ…今もあんま変わらないかもですがw
期待はずれ?望まない仕事だから手に入った誰にも負けないスキル
ーはぁー、なるほど。本当に一人で勉強して突き進んじゃったんですね。
で、中村さんはその後、飲食業をやめて制作の業界に転職するんですよね?
―中村
うん。これが最初の転職ですね。働いてた飲食店をやめて、普通にWebの求人サイトで見つけた小さな事業会社に転職しました。
僕としては、アフィリエイトで中途半端に上手く行っちゃったもんだから「もっとすごいやつらとインターネット仕事やってみたい!」とか考えてました。アホ丸出しです。
―なるほど。そこでついにディレクター中村健太が誕生するわけですね!
―中村
いや、それがそうは上手くいかなくてですね…。
配属されたのは自社サービスのカスタマーサポート。しかも一人。
毎日毎日ユーザー相手に慣れないメールでのクレーム&問い合わせ対応やって、週一の会議でつかう解析データをまとめて、メルマガ書いて…っていう地味ーーーな仕事やってました。
―えぇ?!中村さんて最初っからディレクターってわけじゃないんですか?
―中村
です。この話すると大抵皆さんものすごく驚いてくれるんですけど、僕は社会人になって5年間くらいは別業種(コーヒー屋)と別部署(CS)にいたんですよ。
だからディレクターとしてのキャリアは歳の割には短いほうだったりします。
―ほ、本当に意外です。もうなんか純血のディレクターなんだと思ってました。勝手に。
―中村
ですよね。僕自身もそう思いますもん。でも、この期間で学んだ事って今の僕の根幹になっているんです。
コーヒー屋で死にそうになってた苦労がマーケティングの基礎を。
アフィリエイトに夢中になった期間が解析と改善の基本を。
メールやメルマガをぶーぶー言いながら書いてた経験がコンテンツを作り出す力に…なって…る、ような気がします。
今にして思えば。。ですけどね。
それからWeb系の制作会社を幾つか転職して、ディレクターズマニュアルを書き始めて。mixiでメディア事業やらせてもらったりしながら日本ディレクション協会の立ち上げがあったりして。
気がついたら今の位置にいた。って本当にそんな感じです。いやほんと、数年あればなんとかなるもんですね。人生。
座学も大事 でも一番大事なのは「楽しめるかどうか」
多分、今現在の職場環境や待遇、やってる仕事と給料その他…「自分の思ってたのと違う!」なんてことは本当、嫌になるほどあるし、逃げたくなっちゃう気持ちも分かるこっちゃわかるんだ。
でも、ずーっと現状に対してい愚痴ばっか言って時間だけ重ねちゃった人に高い金払う人っていないのよ。
大事なのは、好きとか嫌いとかじゃなくとにかく「自分事」として楽しんでやること。
ものすごく難しいことだとは思うんだけど、これが一番その人の金額的な価値を押し上げる経験やスキルになると思っています。
例えば僕がこういう話をすると、「今自分の職場ではそういうことをやらせてくれなくて…」とか「そういった上流の考えが要求される会社に移ろうかと…」みたいな相談が必ず何件か寄せられます。
もちろん、それもひとつの手だと思うし、それしか無いってケースもあると思う。
でも、僕はやっぱり自分自身の経験があるせいか、そういうのを見ると「どこでだってなんだって学べるのになー」と思ってしまうんですよ。
「やらなきゃいけないこと」より、「やりたいこと」として仕事に取り組めば、それまで見えてなかった色んなことがカタチになってくるんです。
せっかくインターネット楽しい!♪て思って業界に入ってきたんだから、できれば楽しみながら成長していける人を増やしていきたいですよね。
ーほぁあああ……。ほ、本日は力強いアドバイスありがとうございます!
なんでしょう。なんだかこのインタビュー企画自体をちょっと練り直そうかな?とか考えてしまうような熱く強いメッセージでした。でした!
案の定思いっきり緊張してしまった取材陣ですが、もしこの企画がこれからも続くようなことがあれば次回、またこのメディアでお会いしましょう!それでは!
中村健太プロフィール
Find Job ! Startupやディレクターズマニュアルを始めとしたメディアの運営実績、およびディレクターとして数多くのサービスを展開、成功させてきた実績を持つ。
現役のディレクターとして活動するかたわら、2013年からは日本ディレクション協会会長を務め、多くの講演に登壇。「現場のプロが教えるWebディレクションの最新常識」の執筆・監修を担当。
2014年より株式会社ビットエーに CMOとして参画
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助田(ディレ協事務局長)がじっくり相談に乗りますよ。
インタビュアー:合田衆一郎
カメラマン・ライター:長谷川朋弥
エディター:SananoFukuda
投稿者プロフィール
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SPEC代表
株式会社イノセンティブ 取締役
一般社団法人 日本ディレクション協会 理事
東京都品川区出身の1976年7月生まれ。桜美林大学経済学部を卒業後、ソニー株式会社にて、シックスシグマというマネジメントツールのR&D、広報などクリエイティブ業務に従事。2005年からインターネットベンチャーでWebディレクターとして数社経験。その後「LINKAGE」という商号でフリーランスとしてWebディレクション業務で活動。コーポレート、リクルート、モバイル、デジタルサイネージ、リアル連動など様々なWebサイト、システムの構築、新規事業プロジェクト企画、立ち上げを経験。2012年6月に株式会社イノセンティブ取締役に就任。GARAGE AKIHABARAを立ち上げる。日本ディレクション協会ファウンダー。メンタルマネージャー資格保有。